医療法人社団 晟心会

船橋はるかぜクリニック

〒273-0005 千葉県船橋市本町1丁目9-11 ドーイチビル2F

047-497-8495
診 療 時 間

9:30~13:00

× 10:00~13:00 ×

火曜以外 14:30~19:30
火曜日  14:30~17:00

× 14:00~18:00 ×

クリニック選びの7か条

「どのクリニック(病院)がいいのだろう?」これは医師でも、他科を受診する場合には悩みます。外科などにおいては、手術件数や合併症の割合など客観的な指標があります。一方、心療内科においては改善の度合いや副作用の程度など一応データらしきものを取ることはできますが、その時の本人の置かれている社会的な状況(例えば、会社での人間関係で悩んでいる、多忙で疲れている、借金がある)も大きく影響を及ぼし評価が難しいのが実情です。

主治医の人柄と自分との相性が大きく影響するため、クチコミでおすすめと言われた医師との相性が合わないこともあるでしょう。そもそも、心療内科の性質上、受診していることを表明する方は少ないので、口コミが広がりにくいのも迷う原因となります。

つまり、心療内科に関しては受診してみないとわからないことが多いと言わざるを得ませんが、以下の条件が整っているクリニックは割といいのではないか?と思います。もちろん当院ではそのように努めておりますので、あとは受診して確かめて頂ければと思います。

  • その1:主治医が固定できる
  • その2:初診が30分以上確保されている
  • その3:患者さんの考えを聞く姿勢がある
  • その4:診断名と今後の方針を伝えてくれる
  • その5:薬の効果・副作用の説明がある
  • その6:必要時は家族や上司に説明が可能である
  • その7:転院(セカンドオピニオン)を快諾する

ただし注意点としては、上記のことをするにはそれなりに時間がかかってしまうことです。医師は時間に追われていることが多く、一度に全てはまず不可能です。

患者さんの側のコツも必要になります。例えば今回は「薬の作用」だけ聞いてみる、次回は「副作用について」聞いてみる、という具合に目的を持って受診しましょう。短い時間の中でも少しずつ上記の話をしてくれる医師は良い先生と考えます。

その1

主治医が固定できる

 心療内科・精神科はお薬を渡すだけの外来ではありません。保険診療という枠で短い時間しか確保できない中で最善の治療を行うためには主治医の固定は非常に大事な要素と考えます。
 想像してみましょう。学校や職場で少しだけ話す友人や同僚でも大体どんな人柄かがあなたの中にイメージがありませんか?そのように医師の中にもあなたのイメージ(ストレスや対人関係における反応のパターン)が蓄積され、それが治療に活かされてくるのです。
 時々「カルテに書いてあるのに分からないんですか」と仰る方がおりますが、他人の書いたノートを初めて見て1−2分で内容をしっかり理解できますでしょうか?残念ながら濱屋にはそれほどの能力はありません。
 つまり主治医を頻回に変えるというのは同じ薬剤をもらう以外の選択肢を自ら捨てている(減薬の機会も逃している)のに等しいと考えて下さい。薬漬け(?)が嫌という方はまず主治医を固定しましょう。

その2

初診が30分以上確保されている

 初診時には様々な情報を聴取する必要があり、どうしても時間がかかってしまうものです。必要事項を伺うのに大抵30分は必要になります。長ければいいという訳でもありませんが時間は一つの指標になるのは確かでしょう。ただ、患者さん自身が”話す元気がない” ”初めて話するので緊張する” ”話したくない”というときには、もちろん短めにいたします。

その3

患者さんの考えを聞く姿勢がある

 「貴方は医者じゃないんだから、と言われてしまいました」と自らの考えを述べさせてもらえない不満をしばしば耳にします。患者さんが現在の状態をどのように捉えているかが大切ですので、私はむしろ積極的に考えを伺います。「うつだと思います」「躁うつだと思います」「ADHD」だと思うんです。なんでも仰ってください。その時にはあなたの意見を踏まえて当方の考えを伝えます。
 診察では私の方からも「ご自身は今の状況をどう思われてますか」「どのようなキッカケで現在の状態になったと思われますか」と質問します。「そんなこと聞かれても分かりません」と仰られる方も多くおられますが、それはそれで大切な情報です。とにかくなんでも仰ってください。

その4

診断名と今後の方針を伝えてくれる

 「結局私ってなんなんですか?」とよく質問されます。転院されて来た方で自分の病名がよく分からないと仰られるのです。確かに、心療内科・精神科においては評価に時間がかかる事はありますし、時間をかけて診ていくと様々な事が明らかになり診断名が変わることもあります。
 しかし、現時点での医師の判断が無ければ治療の方針も立たないはずなのです。なので病名は疑問に思ったら聞いてみましょう。診断名が付いていなければいつ頃つくのか(補助的に検査が必要になる場合もあるでしょう)、治療の方針はどのようになるのか?何がどうなると良くなったと言えるのか?減薬はできるのか?しばらく内服は必要なのか?それらを素朴に質問して見極めましょう。
 注意点としては、ネット情報を鵜呑みにしない事です(間違った情報に惑わされる方が多いため)。知りたい事があれば、主治医にその説明をしてもらうのが良いでしょう。

その5

薬の効果・副作用の説明がある

 薬の内服に患者さんは不安に感じられる事が多いものです。内服する時に、

  • どの症状に対して、どの程度効果があるか、副作用は何か
  • 副作用が出た時にはどう対処したら良いのか
  • 薬はどれくらいの期間続けるものなのか
  • 薬以外の選択肢はないのか(例えば漢方やカウンセリング)

 などを伝えてくれる先生が安心だと思います。
 患者さんがよく気にされている「薬漬けになるのではないか」「依存症になりやめられなくなるのでは」「薬を飲んだせいで病気になると聞いた」という質問はいざ医者を前にするとなかな言い出しにくいものでしょう。しかし、気になる事は全て聞いてみましょう。医者は質問されることには慣れております。

その6

必要時は家族や上司に説明が可能である。

 我々は人との関係の中で生きている(生かされている)存在です。
 学校や職場、家庭の中において病状を知っておいてもらったほうが楽に過ごせる事が少なくありませんし、それ自体が治療になる事は少なくありません。逆に言えば「会社や家族の人に自分では上手く伝えられないから伝えて欲しい」という患者さんの希望に対して「必要がない」「できない」と断るような医師であれば治療を一部放棄しているのと同じではないかと感じてしまいます(出来ない理由が妥当ならもちろん話は別ですがあまりそんなことはない)
 ただし、説明には時間も必要なのでよほど急ぎでなければ予め予定を先生に伝えておきましょう。医者の「できない」が「“今は”できない」という意味の先生も居られるかとは思います。
 もちろん守秘義務がありますので、患者さんの同意なくして診察の有無から内容に関しての一切を漏洩する事はありません。

その7

転院(セカンドオピニオン)を快諾する。

 他の医師の意見を聞くために他の医療機関を受診する事をセカンドオピニオンといいますが、その際には今かかっている先生の紹介状が必要になります。心療内科・精神科の性質上、画像や血液データという明確な根拠がないために診断に対する根拠が乏しいと感じる事は多いかも知れません。治療が上手く行っていれば良いのですがなかなか治りにくい時にはなおさら不安は募るでしょう。その時にセカンドオピニオンが役にたちます。もし、違う治療方針を他院が提示してくれればそこに希望を見いだす事ができるし、そうでなかったとしても今までの治療を続ける力になるのです。紹介状を依頼するのは患者さんには勇気のいることかもしれませんが、必要なら勇気を出して伝えましょう。
 患者さんの事を考えている先生であればその不安を受け止めて、セカンドオピニオンの紹介状を書いてくれるでしょう。